約 306,837 件
https://w.atwiki.jp/forsale-lawyer/pages/201.html
自から不良老年となつて 弁護士 山崎今朝彌 一 不良老年の最も得意とする所は昔から若死をした者のない事であらう。此の特徴は、不良老年が概ね食ふに困らない、心配のない、楽天家である事も慥かに其一原因ではあらうが、若死したのでは到底不良老年になれないことも、恐らく一つの原因として与つて力があらう。 不良少年は多く貧乏人の群から輩出する。新聞に出る家長が大概良家の子女であることに依つても、如何に上流社会の低能児が不良少年となる事は困難の事であるかといふ事が判かる。之れに反して不良老年は極まつて有産有閑の階級から生れる。七十で撫切をした、八十で子供を生んだ、老衰して政権獲得運動をした、授爵運動が効を奏した、出娑婆つた、お節介だといふ事は到底貧乏人の話ではない。 不良少年は多く困るから、苦しいから、虐げられるから出て来る。だから可憐い所があり同情する所がある。が不良老年は全く我儘から、気紛れから、入らざる世話から、金から閑から起る。だから憎むべきであり排すべきである。不良老年の最も善良なる事は只黙つて引つ込んでる事である。 併し却つて憐むべき稚気満々たる左の種類は寧ろ憎まずして可なり。一体僕にコンナ問題を課したは、僕を不良老年と認めたからであらう、不良老年振りの発揮も罪がなからう。 二 国民新聞四月二十六日所報、日本社会主義同盟、著作家組合、露西亜研究会が四月十五日私かに市内某所に密会して決議したといふ決議・・・・ 決議 雑誌『解放』並に『読売新聞』通信記者、日本社会主義同盟執行委員、著作家組合常任幹事、露西亜研究会幹事、柯公大庭景秋君が、軍事探偵の嫌疑で労農露国の警視庁に捕へられ昨年五月以来投獄されてるといふ、依て吾々は左の方法で同君救出の運動を起し極力其目的の貫徹を期す。 一、日本共産党に交渉して適当の措置を講ぜしむること 二、新聞社を連合せしめてヨツフエに抗議を提出せしむること 三、日本政府を鞭撻して強硬なる外交手段を採らしむること 四、各団体一致して労農露国を警告すること 吾々は大庭君を信用し日本共産党を信用する。吾々は露国の信用する日本共産党が大庭君を信用することを信用する。吾吾は大庭君を露国より救出するは日本共産党の力を籍るのが最も有効であり最も確実である事を信ずる。吾々は大庭君の生命身体を安全に取戻すことは日本共産党の義務であり責任であり光栄である事を信ずる。日本共産党のビユーローは速かに機宜の措置を執り、大庭君を生還せしめ、之れを殺させたと云ひ触らす一派の宣伝を一掃せん事を熱望す。(四月廿七日付日本共産党宛) 日本の新聞記者も平和の使命があるといふ、其使命を帯びた大庭柯公君が露国で投獄され生死の程も不明であるといふ、之れを見殺しにするのが抑々社会の木鐸たる所以であらうか、之れが即ち日本新聞の威力と体面とを維持する所以であらうか、其れとも新聞社といふものは使用職工に対する時にのみ団結して権威と兇暴とを示すべきものであらうか。勿論新聞にも商売敵があり、一致団結が頗る困難といふことも知つて居る。併し貴紙が断じて熱心に行へば、他社は止むなく之れに賛成する。吾々は貴社が此際率先して各新聞社の連盟を図り、其エン大なるペン力を以て、速かに大庭君を露国より奪還せられんことを希望する。(四月二十七日付読売新聞社宛) 大庭君の問題は日本の一国より見れば、只一人の問題に相違ありません、しかし大庭君より見れば全部に関する問題であります、一般に臣民保護の任にある日本政府は断じて其の前後策を講ずべきではありませんか。幸ひヨツフエが来ています、政府は速かに露国を承認して交換的に正当政府より大庭君を請出すべきであります、然らずんば国際公法を楯に報復的にヨツフエを担保に取るべきであります。右建議す。(四月二十八日付外務大臣宛) 右に対する回答と露国に致せる警告書とは都合上、六月創刊の『問題の雑誌』に載る。 三 東京毎日新聞四月二十九日所報、東京実業連合会、東京市民同盟会、東京弁護士協会、日本弁護士会合同のメーデイびら。(大正十二年四月吉日付) 市民諸君 メーデーが来ました、五月一日が来ました、五月一日はメーデーであります、メーデーは労働者の祝祭日であります、戦闘日であります、全世界の労働者はこの日一日仕事を休んで示威運動をいたします。其メーデーが愈々やつてきました。 市民諸君 此の日都下数萬の労働者は、午前中芝公園に集り、メーデー演説中検束乱闘し、萬歳の声と共に×××を歌ひ、午后一時から示威運動に移り、宮城と警視庁との真中を一直線に、混乱奮戦、争闘暴行絶え間なく、小川町を右に左に昌平橋より上野まで、骨を抜き牛旁抜き、打つ蹴るなぐるに、泣く吐くさけぶ、其処でカスカに萬歳を三唱して解散いたします。 市民諸君 労働者は自ら物を造り、世界を造り、之れを文化し想化する唯一の階級であります。吾々は之を尊敬し之れに感謝しなくてはなりません。メーデーは吾々にとつては、感謝の日歓迎の日でなくてはなりません。 市民諸君 メーデーには、労働者に一人の例外もなく悉く示威運動に参加して貰ひませう。沿道の各戸は一斉に赤旗を掲げて行列を歓迎しませう。見物の人々は、手に手に小旗を打ち振り萬歳を浴びせて行進を声援しませう。 市民諸君 五月一日のメーデーには、吾々は一致して力限り、声限り、メーデー萬歳、労働者萬歳を叫びませう。 之れに動かされてか、取締のペテンと兇暴に憤激してか、当日電車の中から行列に向つて赤旗を振り萬歳を叫んで敬意を表した不良老年と不良壮年とがあつた、不良老年は年甲斐あつてか、生気地がなくてか、停留場と停留場との間、電車の疾走中のみを、小川町辺から桜田本郷町迄、往つたり来たり数回、セキカチーフを出したり引つ込めたり。不良壮年の一隊は多勢と元気に任かせて、馬場先門前徐行電車の中から盛んに赤旗を振り廻し萬歳を絶叫した。電車は忽ち止められ身体はすぐ警視庁に検束。平澤計七君は拘留十五日他は悉く殴きつ放しとなつた。裁判はあつても理由はない、言渡はあつても正式裁判の申立は取上げない、面会も出来なければ話も出来ない。ソコデ左の請求書を言渡を受けた日比谷警察署へ出すことにし、其旨を通告した。 正式裁判請求書 私のメーデー赤旗事件で(或は他の理由にしてあるかも知れぬ)日比谷警察署が、五月二日(或は一日付か若くは三日付になつてるかも知れぬ)拘留十五日(マサカ拘留日数は変へまいと思ふ)の即決言渡をしたから、正式裁判を請求する。 (言渡から三日過ぎれば当然出られるから金は積まない) 大正十二年五月四日 芝区新桜田町十九番地 平澤計七 印 (但民法事務管理の規定により他人が無断代筆捺印するものなり) 東京区裁判所 御中 恰度今日の朝刊に、今夜自由法曹団が今回のメーデー暴虐取締に関し、当局を徹底的に糺弾する為の臨時会を開くといふ記事が出た。すると警視庁から平澤君を出すから正式裁判を申立ててくれるなとの電話があつた、間もなく平澤君は出て来た。 過激運動取締法や陪審法などはどうでもよい、天下の悪法行政検束法と違警罪即決例とを廃せ。之れある間、取締寛大の名は何時もペテンだ。警官の残虐暴行は当然の権利だ、天下の悪法暴力検束法と警察裁判法を廃せ。其れまでは何人も不服申立の全権を予め他人に委かせて置け。(十二、五、四) <以上は、山崎今朝弥氏が著作者である。> <旧仮名遣いはそのままとし、踊り字は修正した。旧漢字は適宜新漢字に直した。> <底本は、『解放』(大鐙閣)第5巻6号159頁(大正12年(1923年)6月1日発行)>
https://w.atwiki.jp/totsukawiki/pages/114.html
寺門にやられてた不良 清村にカツアゲを邪魔された不良。その復讐を寺門に頼んだが誇り高い彼に逆襲される 参考 清村くんと杉小路くんと、よ:キャラ名
https://w.atwiki.jp/wugdoujin/pages/17.html
東I26b ユズキキ 『Wake Oops! Girl,』聖地巡礼コスプレROM パッケージ(ツイッター) 東P32b Logical Product 新刊の特集はアイドルと声優 東ケ04b NURIE@doki2sdale 『セガミマガジン復刊第一号』 東コ10b 納豆きむち亭 成人向 かやちゃんメイン(ふたなり) 東セ48b ものくろぱんだ 『WAKE UP,Shiho!』 表紙(ツイッター) 東マ13a imgnation キャラデザイン近岡直氏のサークル。 委託コピー本有り?(ツイッター) 西た16a STILT 『うたってワグワグ!』 表紙(ツイッター) 西に13b 萌え学共同体 美少女ゲーム評論誌第5弾『二次元アイドルの行方』 表紙(twitpic) 西ぬ02a 民輝書房 アニメ「Wake Up, Girls!」(WUG)の聖地巡礼と全話レビューの本『北四番丁』『木町通』 西み40b かせっとB面 【書店予約】『スターティング・セヴン』 +わぐZOOおまけ本 西よ15b アトリエ向日葵 『M@STER CUT No.1』アイマスDS本・他作品とのコラボイラストにWUGあり 西り15a ジェットコークマニア 百合小説/夏夜×真夢→真夢×夏夜、真夢×志保、菜々美×藍里
https://w.atwiki.jp/wugdoujin/pages/45.html
公式サークルリスト→ http //wugonly.com/list/ B01 有限会社TENてん 『ずっと近くで』『魔法の言葉』の2本立て『まだほんの序奏だから』(ツイッター) B02 MRFれこの フルカラーイラスト本『WUG-1 collection』(ツイッター) B03 One StarWhite (ツイッター) B04 ものくろるベニー八木山 ネットに上げてきたパロディ漫画まとめ+α『Mash Up, Girls!』(ツイッター) B05 こつなめやすみちゃん (ツイッター) B06 どり~むほわいと紅坂夢白 せりまゆ百合小説完結編『少女狂奏曲~自由への賛歌(プリズム)~』(ツイッター) B07 ミナミカゼ南チハル 岩崎志保のアイドル(センター)論『センターの条件』(ピクシブ)+8p無配本(ツイッター) B08 アララ一人山賊団あらら はやあいポーチ(ツイッター) B09 本屋町通ほにゃちょ (ツイッター) B10 DCEどなえむ 真夢と藍里の弟のよくわかんない漫画『だいすきまゆおねえちゃん』(ツイッター) B11 夢見る少女でいたいおいち (ツイッター) B12 銀河横断超大パレードギャルビ TV版最終回からのルート分岐if本の完全版『WUGif - もしキミに戦う意志があるのなら』(ツイッター)
https://w.atwiki.jp/baccano/pages/65.html
NYの一不良少年集団。ボビー・スプロットを中心に、主にマルティージョ・ファミリーの縄張りで悪事を働いている。 2002年8月には、マルティージョのフィーロを襲撃するというボビーの個人的な復讐感情から、豪華客船『エントランス』号に乗船し、その際シージャック事件に巻き込まれる。事件後は、雑用係として、マルティージョ・ファミリーの傘下に入った。 ボビー・スプロット |不良少年集団のリーダー格である14歳(2002年)の少年。ジャグジー・スプロットとニース・ホーリーストーンの曾孫。 一応不良集団の長ではあるが、曽祖父ジャグジーのように、大勢の仲間や、仲間からの信頼を集めているわけではない。また、衝動的な行動が多く、曾祖母ニースのような冷静さ・計画性も持ち合わせてはいない。しかし、仲間のトロイ曰く「何らかの魅力に引かれて従ってしまう」ようであり、リーダーとしての素質があるのかも分からない。 2002年の夏に、アメリカ旅行中の『私』からカメラを奪った張本人である。ロニーにカメラを奪い返されたことで、以後マルティージョを逆恨みするようになる。 同年8月には『エントランス』号に乗船(密航)し、マルティージョの幹部フィーロを襲撃することで復讐を果たそうとした。しかし、その際シージャック事件に巻き込まれる。 2002年の事件後は、想いを寄せるカルネアに近付くため、マルティージョ・ファミリーに雑用係として所属するようになる。 『2002』のエピローグで、マルティージョ・ファミリーの英雄になるという将来を仄めかす1文があるが、その真偽は現時点では不明である。 トロイ |ボビーの仲間の黒人の少年。冷静な性格で、事物を分析するような話し方をする。パソコンを7台持っている。 トロイというのはボビーがつけたあだ名である。PCウィルスの「トロイの木馬」を収集する趣味に由来すると思われる。 トール |ボビーの仲間の少年。背が高い。 トールというのはボビーがつけたあだ名である。背が高い(tall)ことがその由来であると思われる。 ハンプティ |ボビーの仲間の少年。太っている。 ハンプティというのはボビーがつけたあだ名である。マザーグースの童謡に登場する「ハンプティ・ダンプティ」に由来すると思われる。 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/legends/pages/45.html
プロフィール 人面犬と不良JK これまでのお話 人面犬と不良JK 01 人面犬と不良JK 02 人面犬と不良JK 03 人面犬と不良JK 04 人面犬と不良JK 05 人面犬と不良JK 06
https://w.atwiki.jp/hirireorikyara/pages/108.html
■ ふぅ。全く面倒臭いことに巻き込まれてしまったものですねぇ。 今まで行ってきた行為のツケが回ってきたとしても私は別に驚きませんが、まさか我が護衛たる信者共の目を掻い潜ってこの私を拉致するとは、只者ではなさそうですが。 重火器で武装させ、全員が全員害悪の討伐に何の躊躇いも持たない狂人共。 例えば私が『人を1日十人殺すと救われる』なんてとんでもない出鱈目を宣おうが信じるような連中ですよ。悪く言えば只の馬鹿ですが、信じる者ってのは余りに恐ろしい。 教団の為になら一つの一族を根絶やしにして、教団の為になら町一つを数時間で灰にする。 この世で最強のテロ組織なんて驕る気はありませんが、彼らを敵に回すと思うと今まで幾つもの戦場を越えてきた私とて背筋に冷たいものが走りますよ。 私こと阿見音弘之が『白鷺教』に行ってきた詐欺行為が発覚すれば、顔を変えなければならないでしょう。 む。つい暴露してしまいました。 では此処で宣言しておきましょう。 阿見音弘之は『白鷺教』のタカ派教祖としてこの日本に潜伏する活動家――いわばテロリストです。 目的なんてものは―――悪役らしく、世界により多くの絶望と嘆きをもたらすこと、で構いませんかね。 信者達は先程言ったように、私をすっかり神格の存在と信じきっている狂人共です。 おめでたい連中ですよ?良ければ『神の友人』とでも言って紹介してみましょうか?きっと貴方の命令なら何でも忠実に聞くようになるでしょうよ。何てったって阿見音弘之は『神』なのですから。 しかも質が悪いことに。彼らは自分達を弱者であると自称するんですよ。 弱者を必ず神は救って下さるだとか、訳の分からない論理も何も成り立っていないことを並べて。 私は無神論者ですので神様の感覚などちっとも分かりませんが、自分のことを弱者であると自覚してそれを主張するような人間が『弱者』な訳がないことくらいは理解できますからねぇ。 愚かです。 全く、何故彼らでなくこの私が――おっと。そういえば私はテロリストでした。 おっと、少しばかり話が逸れすぎてしまいましたねえ。 誰も私の身辺事情など聞きたくもないでしょうし、そろそろ本題に移らねば。 私、阿見音弘之は単刀直入に言ってしまえば《殺し合いには乗りません》。 何故って?私はテロリストですが、別に何の誇りもなく何年も手を変え品を変えて犯行に及んできたわけではないのです。少なくとも、誰かのプラン通りに動くなど不愉快極まりない。 潰しますよ?あの人無とかいう餓鬼共は、我が《白鷺教》が責任を持って取り潰させて貰う。 我が教団に入信したいというなら止めはしませんがねえ、……そうだ、この場で信者を増やすことだって別に悪いことではないのではないでしょうか? ふむ、我ながら名案と言わざるを得ませんねえ……殺し合いを潰すにも楽そうだ。 やるからには勝たせて貰いますよ、私負けることは大嫌いなのでね。 売られた喧嘩は買いますし、《関わらなきゃ良かった》と相手に思わせる勝ち方を心掛けています。 ―――正義だの希望だのと喚く理想主義者。 殺し合いに背く連中など、どうせそういった愚か者共でしょう。 幻想にすがり付き、更にその幻想を他人にまで押し付けて優越に浸る―――詐欺師もいいところだ。 逆に殺し合いに乗って貪欲に、現実的に生きようとする奴等こそ人間らしいと言えるでしょうね。 私は幻想にすがり付く人間が大嫌いで、冷たく欲望のままに生きるリアリストを好みます。 故に、理想主義を並べ立てる詐欺師共と同列に見られるのは大変心外なのですが―――殺し合いを潰すにあたって、彼ら詐欺師は今こそと奮起する筈なのです。 私はそこにつけ込んで散々掻き回し、絶望させ、幻想を徹底的に殺して見せましょう。 最後に何が残るのか?幻想が死んで理想を亡くした彼らが、理想だった主催転覆を実現したとき、彼らが勝ち取るのは清々しさも爽やかさも皆無、只の虚しさと悲しみが残る。 私はそれが見たいのですよ。 全てを終えて、多くを喪った者達の――絶望さえ通り越した、只の伽藍の洞となった表情を! ああ―――楽しみだ。 □ 河田遥は、夜の森を出せる限りの速度で疾走していた。 顔に浮かんでいる僅かな困惑と、何かを案じるかのように潤んだ瞳は何処か扇情的でもある。 現に彼女は今、とても焦っている。 一刻も早く探さなければ。そして、《あの時》のお礼を言わなければならない。 疲労に悲鳴をあげる体に鞭打って、河田はひたすらに走る。 河田遥。 少しばかり電波系であることを除けば、さして変わったところのない普通の少女。 超能力やら魔法やら、人外の怪物やらなど影すら見せないほどに、平穏な日常を送ってきた。 あの時―――二人の女によって、殺し合いをさせられるまでは。 唐突に呼びつけられ、何が何だかよく分からないままに殺し合いの舞台へ飛ばされ、彼女の平穏な日常は完全に崩壊してしまったのだ。 この《バトルロワイアル》の参加者としてそんなことは然程珍しいことではないが、彼女は少し違う。 河田は、優勝者だ。 不本意であったし、進んで殺し合いを行おうともしなかったのに、彼女は勝った。 殺人に何の躊躇いも抱かぬ連中や狂った殺人者達を凌いで優勝したことは、まさに奇跡とさえいえよう。もしも普通に戦ったなら、彼女は殺されていたっておかしくはない。 ゲーム開始後も余り危険な相手に出会さず―――逆に、河田遥が命を後に救われる相手と出会った。 それが結果的に河田遥という少女の幸福に繋がったのかは彼女にしか分からないが、彼女は丹羽雄二という青年に身を挺して命を救われたのだ。 結果丹羽は死に、河田は優勝者となった。 嫌悪を隠せなかった殺し合いで、皮肉にも殺人者を押し退けて頂点に立ってしまった、そんな終わり。 優勝した知らせを受けて―――その後直ぐに、割り込んできたかのように、殺し合いの《第二ラウンド》が始まった。またも、訳も分からぬままに物語の登場人物に選ばれた。 しかし、全てを失い総てを手に入れた少女は、名簿に記載されていた有り得ない名前を見た瞬間には、もう無我夢中で走り始めていた。何もかもかなぐり捨て、ただ、走る。 丹羽雄二―――自らの恩人。死んだはずの彼の名がどうしてとは思わなかった。 礼を言わなければ。自分と出会わなければ、少なくとも彼は死ななくてもよかったかもしれないのだ。 確かめなければ。あの時、丹羽が死んだ時に感じた、悲しみとも別の感情が一体何なのかを。 それが好意だとは分かっている。 だからと言って、丹羽にもう一度会いでもしなければ、本当にそうなのかは分からないままだ。 会いたい、その一心で少女は走っていた。 だが彼女は別にプロの陸上選手などではないのだから、幾ら大切な人にもう一度会うためとはいえ、無尽蔵の体力で走り続けられる筈がない、当然バテが来る。 近くの樹木に寄りかかろうとするがバランスを崩し、地面にへたり込む形となった。 「………っ、過剰、運動」 少しばかり無理な運動をし過ぎた、とでも言ったのだろう。 現に河田は、かなりの体力を殺し合い開始早々で消費してしまっている。 当てもなく、この広いエリアの中で特定人物を探すために走るなど失笑モノの愚策だ。 だが、策だとか殺し合いだとか、そんなことは先程まで河田の頭の中からは消失していた。 冷静になってみると、自殺行為とさえいえる暴挙だったことに気付き河田は苦笑する。 「丹羽君……私如何良?」 《丹羽君、私はどうすればいいの――――――》 いざ冷静になれば、自分が今置かれている状況がどれほど理不尽なものかがよく分かる。 優勝した瞬間に他の殺し合いに参加させられるなど、あんまりだ。 丹羽雄二にもう一度会うことが出来るかもしれない望みが無ければ、彼女は絶望していただろう。 一難去ってまた一難、なんて次元ではない。 「少休憩後……丹羽君捜索、戻」 どちらにせよこのままでは丹羽の捜索など出来ないだろう。 走れメロスじゃああるまいし、刻限が定められている訳でもないのだから、休んだっていいはずだ。 しかし、丹羽にもしものことがあったらと考えると、言い知れぬ不安が込み上げてくる。 一人不安と疲労、そして殺し合いへの苦悩が螺旋を成したようにぐるぐると頭の中を回る。 はあ、と深い溜め息を吐き顔を上げたとき――――、其処に男は、居た。 白髪か銀髪か判別不能なまでの色素の薄い頭髪。 全身を研究者の如く白衣で包み、右の眼は翡翠色の瞳孔―――義眼。 見るからに怪しい、絶対に普段ならお近付きになりたくないような男だと河田は思った。 男はにやにやと、まるで値踏みするように河田を見つめ、顔面だけで、笑っている。 河田と数秒間視線を交わし合うと、根負けしたかのように笑い声をあげて、男は僅かに頭を垂れた。 「少しばかり盗み見させて戴きました……すいませんねえ、相手はよく見定める性格なんですよ。 神経質とも言えますし人間不信とも言える、或いは自意識過剰とも言えますねぇ―――自己紹介が遅れました、私阿見音弘之と申す者です」 「阿見音、弘之?」 そうですよ、と阿見音はまたも、にやにやと笑う。 一方の河田遥は、この阿見音弘之と名乗る男を信じていいものかまだ計りかねていた。 恐らく殺し合いには乗っていないだろうが、笑顔ばかりを浮かべるその表情が、何故か不安にさせる。 フレンドリーさなど微塵も感じられない。確かに阿見音は笑っているのに、重圧さえ感じるようで。 言うなれば、この男は殺し合いに巻き込まれた不幸な《被害者》に見えない。殺し合いを楽しみ愉悦さえ覚えているような、どちらかと言えば《加害者》にさえ見えてしまう。 しかし明確に彼は加害者でなく、被害者なのに被害を被っているようには見えない。 得体の知れない感覚に襲われながらも河田は自らの名を名乗った。 「ふむ、河田遥さんですか。殺し合いには乗っていないようですしお仲間ですね……さて、一つ質問させて貰いますねぇ……貴女は息切れをしている、どうも体力を消耗しているようですが。 《体力を消耗せざるを得なかった程の理由》が有る筈です。殺されかけるなり、色々とね。 思い出すのは辛いかもしれませんが、情報を提供して戴ければ後々色々助かりますので」 生憎、そんな大それた理由はない。 人探しの為に走っていたとしか言えないのだが、丹羽のことを教えても良いものか迷う。 そもそもこの阿見音弘之、まだ一度も《殺し合いを行うか否か》を語っていないのだ。 丹羽のことを教えて、後々丹羽が危害を被るような目に遭っては笑えない話だ。 しかし、河田にはこの男を完璧に騙せる自信がどうしてもなかった。 「捜索、丹羽雄二。現在休憩中」 丹羽雄二。 阿見音は名簿で丹羽の名前を指し、河田に確認を取った。 珍しい喋り方をするんですねぇ、と阿見音は若干苦笑混じりにまた、笑う。 「その丹羽くん。貴女にとってどんな存在なのですか?恋人とか、ですかねぇ」 予想外だった。 てっきり《この人物は信頼するに足る人物なのですか》などと聞いてくると思ったのに、まさか丹羽雄二という人間が河田遥にとって何なのかを問われるとは思わなかった。 いざ答えようとして、詰まる。詰まってしまう。 丹羽雄二が河田遥にとってどんな存在なのか。決まっている、命の恩人以外の何だと言うのだ。 だが、答えられない。 言葉が思い付かない。 恩人なのは確かなのだが、何故か《それだけではない》と河田の深層心理が語りかけてくる。 何だと言うのだ? 自分の命を、文字通り命を賭して救ってくれた青年を他にどう形容する? 本当はもう答えなど出ている。 ただそれから、目を背けているだけなのだ。 自分は、丹羽雄二に間違いなく好意を懐いている。もはやそこに、揺るぎはない。 ならば―――答えなど一つしかない。 しかし河田遥は、阿見音弘之と言う人物の――《悪意の深さ》を《現実主義》を、見誤っていた。 丹羽雄二に河田遥が懐く《好意》を言葉にして表せば、それこそ阿見音の餌になる。 もう、遅かった。 「私、丹羽君、明確好意」 私は、丹羽君に明確な好意を懐いています。 「―――――っ、はははははははははははは」 返答は感嘆でも嫉妬でも感動でも呆れでもなく、今度こそ心の底からの爆笑だった。 ひとしきり笑い終えると、阿見音弘之は元の《空の笑顔》で、にやにやと河田を見据えた。 「私、貴女とは仲良くなれそうだと思ったのですがねぇ……うふふ、貴女はどうやら私のような人間と、幻想で出来たような人間と会わない方が面白そうだ」 それでは、とその白さが目立つ体を翻した。 最後に一つ、とまるで思い出したかのように阿見音弘之は立ち止まり、河田に顔だけを向ける。 「神様からのアドバイスです、丹羽雄二という人物が大切なら、守った方が良いですよぉ。それこそ――――"何を犠牲にしても"守り通すくらいの覚悟を持つといい。 大丈夫ですよ、貴女が最悪の方法を執ったとしても、きっと丹羽君は《憎まない》」 河田遥は、静止している。 脳で阿見音の《アドバイス》を反芻しながら、自らの道を見定めるように、静止している。 彼女の辿る道は如何なものかはまだ誰も知りはしない。 神を名乗った阿見音弘之さえも、何も知りはしないのだ。 「私、如何?」 呟きが空しく、河田の鼓膜を揺さぶった。 【朝/森/一日目/G-5】 【河田遥@DOLオリジナルキャラバトルロワイアル】 [状態]疲労(中)、困惑 [服装]特筆事項なし [装備]なし [道具]基本支給品一式、ランダム支給品×3 [思考・行動] 基本 丹羽君、捜索。 1 私、如何? [備考] ※DOLオリジナルキャラバトルロワイアル、優勝直後からの参加です ◇ 面白い。 なかなかどうしてこの殺し合い、見世物としては超一級品ではないですか。 ナンセンス極まりない、粗雑で下らないものかと少し侮っていましたよ……いやぁ、たまらない。 河田さん、でしたね。あの子はなかなかの逸材だと思いました。 あれは慣れている目でした。彼女、殺し合いに巻き込まれたのって此が初めてではないのではないでしょうか?何か、まだまだこの殺し合いには深い闇がありそうです。 「ふふふ、ふふふふふふふふふ」 心が躍る。 こんな感覚は久し振りですねぇ……最近はここまでの愉悦には、浸っていませんでしたから。 そういえばこの殺し合い、うちの深雪も参加させられているんでした。 あの小娘は愚かなことに、私に対する信仰も安定してはいない……言ってしまえば役立たず。 ほんの少しで揺らいでしまうような、宙ぶらりんな彼奴は――多分私の敵になるでしょう。 「ふふふふふふふふふ、っふふ」 良い。良い。良い。良い。良い。良い。 殺し合いへの反逆など取り止めですねぇ、これは。 散々引っ掻き回して、理想主義者を現実で塗り潰して、時には殺して、生きましょう。 愉悦の為に。 白鷺の神である私が人を導かない――これは《祟り》と言ってもいいでしょうかねぇ。 「ふふふふふふふふふ、ふふふ、ふふふふふふふふふ」 神とはすべからく悪辣であるべし。 【阿見音弘之@愛好作品バトルロワイアル】 [状態]健康 [服装]特筆事項なし [装備]なし [道具]基本支給品一式、ランダム支給品×3 [思考・行動] 基本 《白鷺の神様》として祟りと称し愉悦を求める。 1 ぶらぶらしましょうか [備考] ※愛好作品バトルロワイアル参加前からの参加です 時系列順で読む Back 僕と取引して同盟を組んでよ! Next リーチの差なんて Pt.2 投下順で読む Back 僕と取引して同盟を組んでよ! Next リーチの差なんて Pt.2 GAME START 河田遥 044 少年少女、時々老人 GAME START 阿見音弘之 048 いつでも微笑みを
https://w.atwiki.jp/kuizu/pages/4794.html
よごふりょう 自作 元々は治療後の経過やその後の見通しがよくないことを表す四字熟語で、競馬においては競走馬の脚部に何らかの故障が発生すること、 転じて安楽死の婉曲的表現とされているのは何? (2016年9月1日 2016年8月のQui2投稿問題まとめ。 ) タグ:スポーツ・その他 Quizwiki 索引 ま~英数 オグリキャップ
https://w.atwiki.jp/pokecharaneta/pages/4435.html
不良愛煙家集団ヤニーズ 砕玉最高等学校関係者 その他 コメント 哲弘による日本のギャグ漫画作品。『チャンピオンRED』(秋田書店)にて、2002年10月号から2004年9月号まで連載された。全24話。単行本はチャンピオンREDコミックスで1巻のみ発売、後に少年チャンピオンコミックスにて『ヤニーズ』と改題されて復刻、現在全3巻が発売中(ただし21~23話はダイジェスト版として収録)。 砕玉最高等学校関係者 ゾロアークorラティオス♂:葉桜 ナツ 前者は特性イリュージョンで女装 アブソル♂:城戸 亮輔 よくパプニングに巻き込まれるので スリーパー♂:吉河 拳児 ロリコンなので その他 ミュウツーorガブリアス♂:嵯賀 俊治 砕玉県最強の男(最強ポケモン)なので。後者はメロメロ(葉桜 ナツに)だが再現できないのが惜しい ゾロアorラティアス♀:葉桜 千春 コメント 名前 コメント すべてのコメントを見る
https://w.atwiki.jp/tonpeirikujo/pages/8.html